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スタインベック「朝めし」

週刊文春の書評は4人で交替して執筆されている。立花隆、池澤夏樹、酒井順子というプロの書き手に混じって、俳優の山崎努。山崎氏の文が一番上手いと思う。彼の勧める本を読みたくなるからだ。
スタインベック短編集の書評。
スタインベックといえば、「怒りの葡萄」と「二十日鼠と人間」を読んで、映画も見た。
短編を今回初めて読んだが、どれも面白い。
1902年生まれとあるが、日本の自然主義小説(ゾラの影響が強いと聞くが)に彼がどれくらい影響を与えたのかは分からない。







山崎氏は「朝めし」の中の、朝食の場面を引用されていたが、それが見事であった。

「若い女はベーコンの皿や、褐色の分厚いパンや、肉汁を入れた鉢や、コーヒー・ポットをならべ、」「赤ん坊はまだ寒さから母親の胴着のなかに顔をうずめて乳を吸っていた。そのチュウチュウ吸う音を、私は聞くことができた。」 「パンにベーコンの肉汁をかけ、コーヒーに砂糖を入れた。」「『こいつはうめえや』そして、また口いっぱいに頬ばった。」 若者が言った。「おれたちはこれで十二日間もうまいものを食っているんだ。」「私たちはコーヒーかすのたまったわずかばかりの飲み残しを地面に投げすてて、またカップにコーヒーをついだ。」

アニメ「アルプスの少女ハイジ」の、山の上の食事場面に感動する方は多いかと思う。
絞りたてのミルクやチーズ。ペーターのおばあさんが固くて食べにくい、と言っていた黒パンでさえ美味しそうに見えた。

「朝めし」もまた、贅沢ではない素朴な食事の描写が素晴らしい。
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by suezielily | 2012-04-30 18:38 | 文学