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猫と庄造と二人のをんな

 谷崎の作品中、映画化されたりした有名作品の中では愛すべき小品、といった趣。この作品も森繁久弥氏主演で映画化もされている。
夫と元妻、現在の妻の三角関係、あるいは夫の飼い猫リリーを併せての四角関係。
小説は庄造の元妻・品子が現在の妻である福子に宛てた手紙の文章から始まる。







「福子さんどうぞゆるして下さいこの手紙雪ちゃんの名借りましたけどほんとうは雪ちゃんではありません、そう云うたら無論貴女は私が誰だかお分かりになったでしょうね」
「『あんた、その猫品子さんに譲ったげなさい』」
「『ええか、此処にじっとしてるねんで。出て来たらあかんで。ええなあ? 分ってるなあ?』
と、しんみり云って聴かせてから、襖を締めて立とうとすると、『待って下さい、何卒そこにいて下さい』とでも云うように、又、
『ニャア』
と云って悲しげに啼いた。(略)畜生ながらまあ何と云う情愛のある眼つきであろうと、その時庄造はそう思った。全く、不思議のようだけれども、押入れの奥の薄暗い中でギラギラ光っているその眼は、最早あのいたずらな仔猫の眼ではなくなって、たった今の瞬間に、何とも云えない媚びと、色気と、哀愁とを湛えた、一人前の雌の眼になっていたのであった。」
 妻であった自分が心ならずも追い出された状況を恨まないではないが、自分が嫁入り道具として持参した品物さえ返せとは言わない。 元夫を返せとも言わない。貴女の家庭からただ一つ戴きたいもの…猫のリリーちゃんを、と。 品子は庄造がどれだけリリーを可愛がっていたか、自分が焼餅を妬くぐらいに、
いやもしかして福子さん、貴女だって覚えが無い?、と実に意地の悪い書き方をする。
不愉快な手紙を読んだ後に迎えた食卓で新婚家庭を邪魔する?リリー。
これ見よがしに鯵の二杯酢をいちゃつきながらリリーに与える庄造。品子の作戦は当たった!
とうとう福子が言う…「あんた、その猫品子さんに譲ったげなさい。」
品子の目的はリリーではなく、元夫であることは明白。 この導入部が実に見事。
アメリカ人に借りた英訳「A Cat, A Man and Two Women」を読んだ。
タイトルからlost in translationで、固有名詞である庄造がA Manとanonymous になっている。
他にも決定的なのが、原作の会話文は関西弁で書かれているのだが、英文を読んでもそのニュアンスが完全に伝わっているのかというと疑問である。 喧嘩、特に夫婦喧嘩の場面は深刻なのだろうがどこかユーモラス。 品子の手紙はとても意地悪で皮肉で意味深。 リリーと品子が仲良しになる件は大層暖かく優しい。 これがもし標準語で書かれていたとしたら、随分と違っていただろう。
貸してくれた友人に聞いたら、日本語の方言をアメリカのある地域の話し方で訳した日本文学があるらしい。
「余計にヒドイことになっていた」とは、友人の弁。
主人公?3人と1匹がどうなるのか、猫好きな方には是非読んで頂きたい作品。
Book Review of A Cat, a Man and Two women
A Cat, a Camera and a Cup of Coffee, the title of this blog named after Neko to Shozo to Futari no Onnna, A
Cat, a Man and Two women, the work of Junichiro Tanizaki, a famous writer in Japan.
I really admire his works, especially this one.
The story begins with the letter from Shozo’s former wife, Shinako to current wife, Fukuko.
The way Shinako tells sounds very sarcastic and mean for Fukuko.
She asks she wants to be given her former husband loved cat, Lily, even she never ask to return Shozo and her bride’s outfit when she got married with him before. If Fukuko never listen to what Shinako says, she sounds so cruel.
Shinako wants to have someone to compensate her loneliness.
She also implies how he loves Lily even she envied when she was with him.
Every letter she talks could be trigger for her rival’s trigger to fight with Shozo.  
How smart she is!
After Fukuko read Shinako’s letter, she prepared the dinner table for him.  He starts to flirts with his cat to
throw sardines in vinegar, the menu he insists to eat even she does not want to have such cold things.
What Shinako’s plot hit it!
Fukuko finally says, “Well, you SHOULD give that cat to Shinako!”

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by suezielily | 2012-08-09 14:32 | 猫書籍