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歌人葛原妙子の猫

葛原妙子なる歌人について、寡聞にして知らず…その歌を見る限り、なかなか華麗でデカダンな作風だ。
森岡貞香 監修の『葛原妙子全歌集』によると、「戦後短歌史に燦然と輝く孤高の歌人、葛原妙子の豪奢にして玄妙、華麗にして破格な文体、大胆な歌柄の中に内面の飛躍と感覚の明滅を持った作品」ということである。
猫がお好きだったようで、猫を詠んだ歌を抜粋する。
葛原妙子 未刊歌集『をがたま』より
「蹠の やはらかき者 立ちどまる 風ならざるも 猫ならざるも」「猫の耳 ちかづきたれば ひらきたる 猫の耳の なかを覗きぬ」「猫と犬 ちひさき池の ほとりにて 出あへる星の 夜をあやしまず」「もの云はぬことのよきかも振り返る猫をりて何もみつめてをらず」「うちつれて吻黒き猫ひるがへり空の青みのなかにぞ入りぬ」「路地奥に猫出でてゐる蝕の夜や一尾にあらず二、三尾ならず」
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『橙黄』より 「灰色のけぶれる猫よまなこ青みしづかにきたる春の燈のもと」
第七歌集 『朱霊』より 「猫のごとくねずみのごとく人のごとく畳をもとほるけはひに覚めたり」
第五歌集 『原牛』より 「生みし仔の胎盤を食ひし飼猫がけさは白毛(はくもう)となりてそよげる」「指先に くちなしの色の バター置き ひだるき青年は 猫をやしなふ」「猫は庭をみる針の目に ゆめのやうなるいきものとなりて」「胡桃ほどの脳髄をともし まひるまわが白猫に瞑想ありき」「亡霊のあらはれしここちかたはらに 猫をりてミルクの雫にふるへをり」
第四歌集 『薔薇窓』より 「らんらんと生きのびをれど捨猫の過去はあるところに断たれき」
第三歌集 『飛行』より「飼猫がつね磨き減らす一本の柱をわれの背後にもてり」「この部屋のいづこにひそみゐるならむ猫よ全開の瞳をもちて」
第二歌集 『縄文』より 「かげろふと細れるをとめ臥しをればいづこともなくあらはるる猫」「午後一時うすら雪舞ひ舞ひて消ゆ食ひ足りし猫もわれもねむたき」
葛原妙子 第八歌集 『鷹の井戸』より
「ゆるやかに あゆむものかな ものあまた 散らばるあひを 猫が通れり」「微笑せる 猫の如きは ゐたりけり 星ある空の 曇りゐにけり」「鳥まんだら 猫まんだらは寄りきたるわがふところの明きときしも」
私が特に気に入ったのが、「生みし仔の~」と、「指先に~」の二句である。
仔猫を生んだばかりの母猫が自ら胎盤を食べて、おそらく血まみれになっていたのだろうが、歌人が洗ってやったのか、もとの白い毛に戻った…という解釈でいいのだろうか? 赤と白の対比が鮮やかだ。
ひだるい、というのは「腹が非常に減って、元気が出ない」という意味だそうだ。くちなしの花は「黄熟した実が、栗や椿のように割れて口を開けることが無い意から、『口無し』と命名された、という」だそうだ。
猫の歌ではないが、この歌集で特に面白いと感じたのが、「死(タナトス)と囁くこゑすけむりぐさいつくしきけむりぐさをぞ喫ふ」「シャーレーに採りいだしたる脳髄がかたへの者を意識する話」「青玉の龍の鬚の実朽ちゐたりいかに死にしやジョルジュ・バタイユ」である。
「薔薇窓」とは、三島の「薔薇刑」を連想した。
『鷹の井戸』については、アイルランドの詩人イエーツ関連で検索するとヒットするようなので、興味のある方はどうぞ。
随筆集 『孤宴(ひとりうたげ)』より、 「さくらの木の猫」 
「桜の木にときならぬざわめきがして、みあげたところにあの美しい野良猫がのぼっていた。満開の桜の枝は揺れながらにとまり、とまったところにあの猫がいた。猫のからだはすっぽりと桜の花びらに埋っていて顔だけがこちらをみていたが、ちょうどその口にさくらの一枝を銜えているようなかたちにみえた。」
桜と猫…毎年、撮影に挑んで見事に失敗する組み合わせだ。桜の木の上に登っている猫など、お目にかかったことはない。このような美しくて恐ろしい言葉を紡ぐ人には、訪れる瞬間であろうか。
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by suezielily | 2012-10-16 18:46 | 猫書籍