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「猫」久坂葉子

E・A・ポーの「黒猫」や有吉佐和子の「華岡青洲の妻」など、猫が登場する小説で読んでいて怖いと感じる作品もある。ネタばれするので詳細は書かないが、猫が好きな方は怖くて読めないような箇所にお目にかかる。が、おはなしである。架空の物語である。
「華岡青洲の妻」は江戸時代の医師が、外科手術のために世界で初めての麻沸薬(麻酔薬)を開発し、その実験のために多くの犬猫が使われ、ついに嫁姑が自ら人体実験を申し出る…美談の影に激しい嫁姑の争いが隠れ、徹底的な取材と膨大な資料の読み込みで知られる有吉佐和子が、その才能と想像力を終結させた名作である…が、犬猫の麻沸薬の実験の描写は、実際にあった事には違いなかろうが小説の中の出来事だ。
何が言いたいのかというと、久坂葉子の「猫」は私小説の体裁であるから、「ほんとうに起きた事」の確率が高い、そこが「黒猫」や「華岡青洲の妻」よりもああ、怖い!と思わせるのだ。
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しかも久坂葉子こと1931年神戸に生まれた川崎澄子は、1952年12月31日に阪急六甲駅にて自殺を遂げているのだ。父方の曽祖父は川崎造船の創業者、母は旧華族の家柄。19歳の時に「ドミノのお告げ」が芥川賞候補に挙げられる。石原慎太郎の「太陽の季節」の受賞よりも4歳も若かった。
鼎書房から久坂葉子全集全三冊が出ている。わずかに三冊。「猫」は第一巻の「小説」に収録。七頁の短編。
登場人物は「私」とTという男性。美術書を高価買入するというTの経営する店は古書店だろうか。
Tが結婚するという事を聞いた「私」は、月夜のある日、Tの店へ入る。Tは猫を抱いて本を読んでいる。膝の上の猫は黒と白の斑で、ありふれたどこにでもいる猫である。
さっきまで大変な雨だったのだ。北陸で生まれたというTは雪の話をする。こたつで猫を抱いてうつらうつらして目覚めると、雪がこんなにつもっている、と。「新雪。これがまたいゝ。ゴム靴で歩くとククククといふ音がするんだ。それがたまらなくかはいゝよ。(略)」
「私」は結婚のお祝いの言葉をのべる。「猫。いりませんか。邪魔になってうるさくてしょうがないのでね」
「どうして。かはいがっていたくせに」…孤独と猫、という二つの言葉がひらめいた。結婚するTは孤独ではないので、猫がいらないのだ。「私、猫大嫌ひ。猫大嫌ひ。」と云って店を出た私だが、すきとほった大きく光る猫の眼のように、大それたある残虐な企をもって、Tの店に再び向かう。
「猫をもらひに来たの」「猫を?君きらいだといったのに」「だけどほしいの。屹度好きになるわ。屹度」
「私」の企とは。
同世代の曽野綾子氏が「文学上の嫉妬」を感じたという久坂葉子については、熱心なファンの方々がサイトを運営しておられる。また、絶版になった書籍をネット上で読める「青空文庫」の中にも数作品掲載されているので、是非そちらもご覧頂きたい。
尚、「猫」は青空文庫に収録されてはいない。
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by suezielily | 2012-11-22 19:05 | 猫書籍