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猫――アンティーブ岬にて

「モーパッサン残酷短編集」を見つけた。 発行所の梨の木舎は所在地が神保町となっているので、古書店だろうか? 装幀、本文フォーマットデザインが加藤昌子。表紙を始め、猫の絵が数箇所。可愛らしい絵柄というよりは、怖い感じ。
井上ひさしの戯曲「太鼓たたいて笛ふいて」を古書で入手し、参考文献の中にS・モームの「夫が多すぎて」という短編があるという。
私が思い違いをして、「あれ、モームとモーパッサン、どっちだったかな」と図書館の書棚をクルーズしていた。短編集に収録された、そう有名ではない作品だろうと見当をつけていたら、偶然「猫――アンティーブ岬にて」に行き着いた。
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鈴木暁、森佳子監修、石阪さゆり、嶋田貴夫、清水佳代子、山本一朗訳。付録に「【実践的翻訳論】どう読みそう訳すか」があり、フランス語の原文のテキストもある。 
作者自身なのか、おそらく中年の、白人男性がアネモネの花咲く花壇のある庭のベンチで、ジョルジュ・デユヴァルの『樽屋』を読んでいた。
「庭師の飼っている一匹の大きな白猫が、私の膝にとび乗ってきた。するとその勢いで本がパタンと閉じ、私はそれを脇に置いて猫を撫でた。」
「猫は私の膝の上で丸くなっていた。仰向けになって四肢を宙に投げ出し、爪の出し入れをしたり、(中略)両瞼の隙間から緑色の目をのぞかせていた。」
以下、その猫の描写が続く。なかなか鋭い観察眼だ。私は彼の短編「首飾り」や「脂肪の塊」が好きだが、猫を好きだったとは知らなかった。
残酷、の文字に怯んで読むのが怖かった…そういった描写もこの作品にはあるが、それは「私」の少年時代の回想部分であるから、恐怖を感じるのもワンクッション置いた印象だ。
「それにしても猫は愛らしい。撫でてやると自分の体をこすりつけてきて喉を鳴らし、膝の上で丸まり、(中略)こういった猫の愛情表現には不安を覚えるし、あの喜びようには危しいエゴイズムを感じる。だからこそとりわけ猫は愛らしいのだ」とは、さすがである、そして、「女に対しても同じような感覚を抱く」と続く。
「詩人たちは皆、揃って猫好きである」ということで、ボードレールの猫について詠い上げたソネットも引用されている。
「熱烈な恋人たちと 謹厳な学者たち   円熟の季節には 等しく猫を愛す  堂々とした 心優しき 家の誇りたる猫  彼らのごとく  寒がりで家にこもる」…長いので、別の項でまた記載したい、後ほど。
「私」は、ニースの近く、トーランの渓谷に出かける。『四塔城』という一五三〇年頃に建てられた城に滞在することとなった。そこで、「私」が見たものは。

この「猫――アンティーブ岬にて」の中では、これといって何も起こらない。こういう筋らしき筋の無い小説(芥川と谷崎の論争を思い出す)を書いていたとは、以外であった。随筆か、というと幻想的な場面があるので、違う。
フランス語の翻訳家を目指す方々のワークショップからこの「残酷短編集」が編まれたようだ。
我が敬愛する澁澤龍彦は、モーパッサンにはあまり興味が無いようで、彼の著作や翻訳で殆ど眼にした覚えが無い。この作品を紹介してくれた学究の徒に、感謝。
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モーパッサン残酷短編集

梨の木舎


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by suezielily | 2013-01-08 19:33 | 猫書籍