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寺田寅彦「子猫」

岩波文庫の「寺田寅彦随筆集 第二巻」に収録。小宮豊隆編。
寺田寅彦は、漱石の「吾輩は猫である」の「寒月君」のモデルらしい。
芥川龍之介と同時代の人だが、多分初めて読んだのではない。小林秀雄、柳田國男、亀井勝一郎もそうだろうが、現代国語の教科書に評論や随筆が掲載されていて、大抵の日本人は知らぬ間に読まされている文人の一人だろう。思ったよりも読みやすくて、猫以外のことを書いた随筆も面白い。
猫に関する記述は、「備忘録」の中にもある。「猫の死」と「舞踊」で主に飼い猫の三毛と玉について語られる。
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「子猫」はその二編よりも長く、十三頁に渡る。大正十二年の掲載誌が「女性」とあるが、他の随筆が「中央公論」や「改造」などに掲載されているので、それらよりはとっつき易い文を、という意図かもしれない。
「これまでかつて猫というもののいた事のない私の家庭に、去年の夏はじめ偶然の機会から急に二匹の猫がはいって来て、それが私の家族の日常生活上にかなりに鮮明な存在の影を映しはじめた。」
雌の三毛と雄の玉。三毛と二三か月遅く生まれた玉は子猫時代にどこからか(どこ、とは記述が無い)貰われてきた。
「三毛は神経が鋭敏であるだけにどこか気むずかしくてそしてわがままでぜいたくである。そしてすべての挙動にどことなく典雅のふうがある。おそらくあらゆる猫族の特性を最も顕著に備えた、言わば最も猫らしい猫の中の雌猫らしい雌猫であるかもしれない。」とは、三毛猫に接したことのある人は同感するのではないだろうか。私が会ったことのある三毛の多くが、他の色柄の猫よりも賢くて警戒心が強い。
この項では三毛と彼女が生んだ子猫たちの話が主で、玉のことは毛色が何色かも書かれていない。
「生まれついた無骨さ」で、「障子の切り穴を抜ける時にも、三毛だとからだのどの部分も障子の骨にさわる事なしに、するりと音もなくおどり抜け」るのに、「どこかしらきっと障子の骨にぶつかってはげしい音を立て」るという。
ちょっと玉が可哀想になるくらい三つの随筆に三毛との描写の差があるのだが、同時代の谷崎潤一郎の、洋猫に好みが偏って日本猫には興味が無かったこと、内田百閒の「ノラ」と「クル」への偏愛と比べて、寺田寅彦の猫随筆は冷静でいて、強い愛情はその二人に負けていない。
「自分は猫を愛するように人間を愛したいとは思わない。またそれは自分が人間より一段高い存在とならない限り到底不可能な事であろう。しかしそういう意味で、小動物を愛するという事は、不幸な弱い人間をして『神』の心をたとえ少しでも味わわしめうる唯一の手段であるかもしれない。」
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by suezielily | 2013-01-22 19:09 | 猫書籍