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美味しい文学


小説のなかに食べ物の描写があると、美しい風景の描写以上に濃い彩りだけでなく、匂いや湯気まで立ちのぼってくるような心地がする。
印象的な描写をいくつか、挙げてみる。
「 食卓が整うと、マチ子が気取って声をかけ、浅井は起き上がったが膳の上のものを見ると目を瞠った。  豆腐のあん掛け。いかの松かさ焼。たかべの甘辛煮。いくらの大根おろし和え。三ツ葉のひたし。漬物はかぶの塩もみと紅しょうが。椀の蓋をとると、なめこの赤だしという具合だったのである。」




「 折の蓋を払うと、まるで弁当のように中央に魚の姿焼があり、赤い車海老が殻のまま踊っていたり、卵焼き、煮物、焼鳥の串など、色どりよく詰めあわせてあった。葉蘭で囲った中にはいかの刺身の鱈子和えまである。」  (有吉佐和子「不信のとき」)
「嫁のGは、料理の本を見ながら、つゆは鰹節と昆布と味醂を使ってつくり、ガラスの器にそうめんを盛り、小さくくだいた氷を散らし、一人に一尾ずつの蝦、干ししいたけ、みつば、白身の魚、細切りにした薄焼き卵を添え、やくみの生姜、葱の白いところとしその葉は細切りにし、好みのものだけ取れるように小皿に分けた。」(吉行理恵「赤い花を吐いた猫」)
「こんな遅い時刻に夕餉の支度をしているのだろうか。そう思ったとたんに、嗅ぎ慣れた味噌汁の匂がぷーんと私の鼻をおそって来た。それから魚を焼くらしいじくじくと脂のこげる旨そうな匂がした。  『ああお母さんは大好きな秋刀魚を焼いているんだな。きっとそうに違いない』(谷崎潤一郎「母を恋うる記」)
「やがてエッちゃんは二斗のお米と鶏四羽、卵をしこたまぶらさげて戻ってきて、旅館の台所へわりこんでチャンコ料理だの焼メシをつくって女中連にも大盤ふるまい。 『わかるかい、サチ子さん、お前をつれて行けなかったわけが。つまりこれだ、チョンマゲだよ。こういう時には、きくんだなア、お相撲が腹がへっちゃア可哀そうだてんで、お百姓はお米をだしてくれる、お巡りさんは見のがしてくれる、これがお前、美人をつれて遊山気分じゃア、同情してくれねえやな。アッハッハ』」(坂口安吾 「青鬼の褌を洗う女」)
…いかがです? 
「不信のとき」の一つ目は男が愛人の家で振舞われた家庭料理。もう一つは男が自宅に知人からの折り詰めの土産を貰い、それを妻が開けてみたのであった。
「赤い花を吐いた猫」は、外国人の嫁が姑に言われてなかなか豪華な冷やしそうめんを作ったのに、姑、舅、夫の食べ方ときたら…以下、この作品を読んでください。
「母を恋うる記」は、少年は家の外にいて、母の作る夕餉をなつかしく想うのだが…
「青鬼の褌を洗う女」はユーモラスな場面で、安吾は相撲好きのようだ。戦後まもなくの作品だが、後年、角界のタニマチと力士の「ごっつあんです」関係がスキャンダルになるとは、まさか作者は想像していなかっただろう。「…やっぱり、お相撲さんって…」と目くじらをたてるのか、野暮はいいっこ無しなのか。
何か食べ物描写が素敵な小説があったら、どなたかご教示を。

不信のとき〈上〉 (新潮文庫)

有吉 佐和子 / 新潮社



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by suezielily | 2013-04-04 19:11 | 文学