猫を題材にした小説随筆や猫好き作家をご紹介


by suzielily

プロフィールを見る
画像一覧

以前の記事

2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
more...

カテゴリ

全体
猫書籍
文学
Cat Salon,猫カフェ
猫写真、猫関連
猫TV,movie
音楽、music
本のまくらquiz
TVドラマ、movie
初めまして introducing
野球、baseball

最新のコメント

nobikunJさま ..
by suezielily at 16:22
Richard Brau..
by nobikunJ at 18:04
LuckySevenSt..
by suezielily at 16:51
どこかにある猫の国の奈知..
by LuckySevenStars at 12:16
LuckySevenSt..
by suezielily at 15:23
面白そうですね〜。 ヘ..
by LuckySevenStars at 15:11
LuckySevenS..
by suezielily at 17:59
マンチカンが可愛すぎる可..
by LuckySevenStars at 17:20
LuckySevenS..
by suezielily at 17:33
suezielilyさん..
by LuckySevenStars at 13:37

フォロー中のブログ

エコ猫な人々
すみやのひとり言・・・
路地猫のひとり言
ヒトは猫のペットである
春待ち日記
たびねこ
ちりめん戯縫
大杉漣の風トラ便り
4にゃん日記+
猫イズム
のらマニア ~長崎ぶらぶら猫~
浅草・銀次親分日記
シェークスピアの猫
ぎんネコ☆はうす
ルドゥーテのバラの庭のブログ
猫と文学とねこブンガク

外部リンク

最新の記事

マンスフィールド「不機嫌な女..
at 2017-12-16 14:55
ジャン・クリストフ 
at 2017-12-08 17:51
ねこ書籍記事過去ログ
at 2017-12-07 00:00
文学記事過去ログ
at 2017-12-06 00:00
コレット 「青い麦」
at 2017-12-04 17:17

最新のトラックバック

ヘミングウェイ「雨の中の猫」
from ネコと文学と猫ブンガク
高見浩訳「雨のなかの猫」
from ネコと文学と猫ブンガク
一茶の猫俳句
from ネコと文学と猫ブンガク
「波の塔」の猫
from ネコと文学と猫ブンガク
内田百閒の広告
from ネコと文学と猫ブンガク
キャットサロンの猫
from A Cat, a Camer..
キャットサロン(A Sa..
from 猫と文学と猫ブンガク
日経新聞・フィギュアの世..
from ナチュラル&スローライフ

ご注意 notice

野球川柳、写真、英文記事等は無断転載禁止。 コメント下さった方、有難うございます。

ライフログ


芥川龍之介全集〈5〉 (ちくま文庫)


猫に時間の流れる (中公文庫)

検索

タグ

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

猫
本・読書

画像一覧

だから荒野

毎日新聞に連載中から読んでいた桐野夏生「だから荒野」が単行本になった。
早速図書館に予約して借りる。
e0265768_18493844.jpg




 以下、本の帯部分に書かれた粗筋部分。
「46歳の誕生日。身勝手な夫や息子たちと決別し、主婦・朋美は1200キロの旅路へ――」 
息子のうち、次男はネットゲームにはまって家族との会話も殆どない高校生。
連載開始早々こういった描写があるので、「だから荒野」の1年程前に連載を終えた、林真理子の「下流の宴」と似ている、と思った…のは毎日新聞の連載小説を楽しみにしている読者の多くが感じたに違いない。
が、桐野氏の筆は読者の思惑を直ぐに裏切ってくれる。
 朋美は自分の誕生日を自ら予約したイタリアンレストランで食事しよう、と夫と息子達に召集をかける。
彼らから祝いの言葉もプレゼントも特に、ない。それどころか夫は電車で新宿まで向かうことを拒否し、自分がお酒を飲みたいからいつものように「ママタク」でないと行かない、と言ってのける。
彼女の精一杯のお洒落や化粧もツゥマッチにミスマッチ、と男達はさんざんにけなす。レストランでも「ネット上のグルメサイトの常連投稿者」である夫にダメ出しをされる。
一つ一つは些少な事だが、今までの彼女への彼らの仕打ちも積み重なって朋美の怒りは爆発。ある大きな決断と大胆な行動に出るのだ。
小説の後半で舞台は長崎市に移行する。
私も知る場所も登場するので、「ああ、あの辺ね」と楽しく読めた。
そこで登場するのは山岡という九十歳代の男性。彼の存在がこの小説に重みを加えている。
出奔する人妻のロードムービー的な小説。是非、ご一読を。
以下、猫が登場する場面を抜粋。
「その拍子に、浩光の膝から、飼い猫のロマンがずり落ちるようにして床に降りた。ロマンは太っているので、動作が鈍い。 ちなみに、『ロマン』などと、ふざけた名前をつけたのは、浩光である。朋美は知らなかったが、フランスに『ロマン・ロラン』という作家がいるのだそうだ。」「しかも、姑の美智子は、何度教えても『マロン』と呼ぶから、笑ってしまう。 子猫のロマンを貰い受けて来たのは、浩光だった。
飲み屋のママのところの猫が子を産んだから、貰い手が付くまで預かる、と言うので、いずれ返すのかと思っていたら、猫はそのまま家に棲み着いてしまった。
朋美は猫が好きではないので、正直、迷惑だった。猫の毛を掃除するのも、砂を替えるのも面倒臭い。ロマンの方もわかっているのか、朋美にはまったく懐かない。」「浩光がパンツの膝に付いた、猫の毛を払い落としながら言った。」
「猫のロマンがひと声高くニャーと鳴いて、擦り寄って離れない。(略)朋美は足元に再び擦り寄ってきたロマンの優美な背を眺めながら、微笑んだ。」

単行本化にあたり、大幅に加筆・修正したとある。どこが違うのだろう、と思っていたら何とラスト部分が大きく違っている。
後の展開は読者の想像にお任せします、といったラストだったように思う、新聞連載中は。
書き終えて出版の準備をする際に、桐野氏の気持ちの変化があったのだろうか。読者の反響を見て考え直したのだろうか。私は、新聞に掲載されたラストで良かったと思うのだが…。
作家が書き始めた当初の勢いというのは大事な気がするのだけれども。

 冒頭の描写の積み重ねは、ジョン・グリシャムの「Skipping Christmas」を思わせる。
こちらは、妻が失踪などと物騒な内容ではないが、法廷闘争などの小説(映画化された作品しか知らないが)の印象が強いグリシャムの、軽妙洒脱な作品で、こちらもお薦め。

もし、「だから荒野」が映像化されるとしたら、朋美役は鈴木京香、夫の浩光役は香川照之でお願いしたい!

e0265768_18494590.jpg
e0265768_18495470.jpg
e0265768_1850235.jpg
e0265768_1850880.jpg
e0265768_18502319.jpg
e0265768_18503026.jpg
e0265768_18504062.jpg
e0265768_18504621.jpg
e0265768_18505374.jpg
e0265768_1851072.jpg
e0265768_18512360.jpg
e0265768_18513481.jpg

だから荒野

桐野 夏生 / 毎日新聞社


[PR]
by suezielily | 2013-11-10 18:52 | 文学