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開高健の猫

 開高健というと、私はなぜか直木賞受賞の作家だと思いこんでいた。未読だが、「オーパ!」などの人気作家という印象が強かったから。ところが、実際は芥川賞受賞者であった。
エッセイ集を手にとって読み出したらこれが滅法面白い。
猫もお好きなことが分かった。
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以下、開高健エッセイ選集「白いページ」の「抜く」より、抜粋。
 なお、「抜く」という題名は、猫の避妊去勢手術のことである。
「海師と山師が対立するようにイヌ好きとネコ好きも議論もしくは沈黙を選ぶように思われる。
(略)ネコ好きにいわせるとネコの徹底的個体ぶりが何ともニクイというので(略)
ときどき両派とも度外れなのがいてツバをとばして議論しあっているのを見ることがある。(略)
イヌだろうとネコだろうと、(略)
そうでない人よりは想像力や洞察力を養っていることがあると思いたいがどんなものだろうか。
 私の場合は釣りは山、動物はネコということになる。
(略)これまでにずいぶんたくさんのネコを飼ってきた。どんな貧乏をしてもネコは飼っていた。親子三人が(略)窮迫におちこんで(略)
そういうときでもネコの一匹はきっと部屋のどこかにいた。たいていそれは(略)
駄ネコも駄ネコ、雑種も雑種、どんな遺伝情報がその小さな額につまっていることやらと思われるようなものだった。(略)
ネコをよく観察していたら女が書けるという小説作法上のなかなか痛切な教えが昔からあるけれど、これはネコだけでは足りなくて、ネコと女と両方の観察があってはじめてハハンとうなずける性質のものではあるまいかと思う。
ネコはどんな小さなときから飼っても、(略)けっしてヒトに服従することがない。寝るときはフトンのなかにもぐりこんできてこちらの腹のうえにのっかったり、(略)ヒトの暮しの核心中にのうのうといすわることを許されながら、これくらい狷介孤高に独立を守りぬいて、徹底的に好きなものは好ききらいなものはきらいと峻別できる精神も珍しい。(略)
あるときそのネコが木綿地の座ブトンをいつも玉座として眠る習慣にあったので、たまたま絹の座ブトンにのせてみたら、翌日から木綿には見向きもしなくなった。
そこで、眠りこけているさいちゅうをそうッと木綿に移してみると、パッチリ眼をさますか、(略)
だまって絹へ移ってころりとよこになる。(略)
何度やってみても木綿から絹へ移り、けっして木綿にもどろうとはしなくなった。(略)
私の作品の一つを愛してくださっているロンドン大学のチャールズ・ダン先生は日本へきて(略)
春さきの日本のネコのカンツォーネ歌手そこのけの発散ぶりに驚愕したとのことであった。こんなものすごい唸り声をたてるのはどんな野獣だろうかと思ったというのである。(略)
ずいぶんロンドンに暮しているし、ネコもたくさんいるけれど、あんなすごい声は聞いたことがありませんといって、つくづくといった顔で不思議がっている。(略)
ロメオもさがしてやらなかったし、ジュリアンもさがしてやらず、アレクセイもさがしてやらなかった。すると彼女は自然の呼ぶままにとびだしていき、(略)
まるでコルシカかスペインの恋人のような恰好で御帰宅になり、四匹の子を生んだ。(略)この四匹のうち三匹の顔にはペルシャとジャパンの特長がまじっていて、さしあたって“ペルパン”とでもいいたいところだが、一匹だけシャムそっくりにとがった顔をしているので、(略)
これはどういうことだろうか。近所にジャパンとシャムの手に負えぬ色悪のオス二匹が野坂昭如の小説を読んでうろつきまわっていることは私も知っているのだが、ウチの娘が一度に二匹を相手にして二つの異種を同時にはらんじゃうこというようなことがあり得るのだろうか。(略)どう考えてもわからない。」

  ロメオ、コルシカ、野坂昭如うんぬんは作家らしい比喩である。悩める美しき青年猫とお見合いさせることもなく、外で気ままに不良青年猫とのアバンチュールを黙認していたら、父親不明の小猫を生んでしまった、このあばずれめ、といったところであろうか。

猫の遺伝子については猫を飼っている米国人の友人に聞いたことがある。開高氏の疑問はごもっともで、私も「猫は同時に複数の雄猫の子供を出産するの!?」と驚いたものだ。
猫のDNA鑑定などというものは聞いたことがないけれど、「99.9パーセント父猫です」などという結果が出たりするのだろうか、もしあるとすれば!?

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by suezielily | 2014-02-13 17:14 | 猫書籍