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東直己「猫は忘れない」

東直己の「猫は忘れない」を借りた。
ススキノの便利屋の「俺」は、知人のスナックのママ、ミーナが韓国旅行に行く間、猫の給餌に来てくれと頼まれる。
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以下、本文より抜粋。
「1  
預かった鍵を鍵穴に差し込むと、ドアの向こうで、チリンチリンと小さな鈴が鳴る音がして、『みゃー』とナナが鳴いた。(略)こいつはなぜか俺がドアに着く前にドアの向こうに来て待っているらしい。(略)
白黒まだらのナナが、(略)ちょこんと座って、尻尾を腰の周りに巻き付けるように畳んで、俺の目を見上げた。」
「ナナは、『にゃ~あっん、にゃ~あっん』と何か訴えるような変な鳴き方をしつつ、俺のふくらはぎや足の甲に頭や体をこすり付けながら、俺と一緒に進む。」
「餌を半分ほど残して、餌皿から離れた。
 これはちょっと珍しい。(略)今日で付き合いはまだ三日目だが。
 ナナは、(略)ミーナの寝室のドアの前にちんまりと座った。古代エジプト壁画で猫がよくやっているポーズだ。尻尾をゆらゆらと揺らしてから、また腰に巻き付けるような具合にまとめて、顎を上げ、俺の顔を見つめて『カカカカ』という奇妙な鳴き声を出した。
『ミーナは留守だぞ。知ってるんだろ』」

 小説が始まって間もなくの上記の描写が見事である。
猫の様子がいつもと、違う。古代エジプト壁画で猫が云々…ピラミッドの中に女王が埋葬されている。奴隷や動物も殉死したのだろうか。そういった昔むかしのことを連想させる比喩表現だ。なぜそう思うのかは、本文を読んでくださいね。

「見上げると、目の前にナナが降ってきた。(略)
どうやら、本棚の一番天辺にいたらしい。(略)
今はリビングと寝室の壁はほとんどが本棚で覆われている。その一番上、俺が小学校の頃に愛読した(略)『ジュニア版日本文学名作選』が並んでいるあたりにいたらしい。佐藤春夫の『わんぱく時代』とか夏目漱石の『坊ちゃん』などと一緒に漱石の『吾輩は猫である』上下もある。」
「ナナが本棚の段をポンポンと跳んで、(略)場所は、『吾輩は猫である』のすぐそばだ。」
「リビングに戻ると、『吾輩は猫である』の前ですっかりふてぶてしく寛いだナナが、(略)複雑な目つきで俺を見下ろした。」
「華が滑らかな背中を見せて(略)その背中に顎を載せるような感じでナナがどうやらぐっすり眠っている。(略)ナナを入れて川の字、というのは気に食わない。(略)
ナナが目を開けた。(略)ゆっくりと身を起こし、尻尾をくねらせながらベッドから飛び降りた。」

この小説に登場する他の何人かの人物も、猫が好きである。
「俺」の恋人の華。ススキノでラウンジバーを経営している女性。
「俺」が乗ったタクシーの運転手。
茂木仁志巡査部長は「パピ」という猫を飼っている。事件が起こった部屋の実地検分が済んだ後、ナナのトイレの砂やフードなどを「俺」に渡してやり、「ナナは小便を我慢してる」ので「なるべく早くしてくれ」などという気遣いまでみせる。
 東氏はジャズにも詳しい。それと、お酒も大好きで美食家でもあるようだ。
「高田のメールを開いた。(略)〈ところでお前、Bill Evans の“You Must Believe in Spring”はいいぞ。〉(略)」
「高田の店は、(略)さり気なく流れるジャズ。(略)
デューク・ピアソンの『リフレクション』が途切れて、物悲しいピアノが聞こえて来た。(略)
『“Bマイナー・ワルツ”。この次の曲が、スプリングだ。』」
「ぼんやりとビル・エヴァンスを聞きながら(略)
『……七〇年代の終わり頃だろ、多分。発表されたのは、エヴァンスが死んだ翌年だ。』
『……四曲目はなんて曲だ』『ウィ・ウィル・ミート・アゲイン』(略)
『お前は、絶対この曲が気に入る、と思ってたんだ。(略)つまり結局、お前はありふれた俗物だってことだ』」

北海道といえば、大泉洋。彼の主演で映画化されたススキノ探偵シリーズの一つである。
日本アカデミー賞では彼を差し置いて、松田龍平が受賞していたが。
映画は未見なので、「探偵はBARにいる」とその続編に猫が登場していたかどうかは知らない。
この「ナナ」がススキノ探偵シリーズの他の作品に、あるいは東氏の他の作品にも猫が登場するのか気になるところだ。
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宴のあと(英文版) - After the Banquet

三島 由紀夫 / チャールズ・イ・タトル出版


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by suezielily | 2014-03-22 11:18 | 猫書籍