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主人公になった動物たち

ディートマー・グリーザーの「主人公になった動物たち」("Im Tiergarten der Weltliterautur”, Dietmar Grieser)を借りた。宮内俊至訳。
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以下、T・S・エリオット「キャッツ」の項より抜粋。
「ミュージカル『キャッツ』を(略)背景を知っている人は非常に少ないのではないだろうか。(略)ウエーバーのこの傑作には二人の父親がいる。一人は(略)ウエーバーであり、もう一人はその四十年前に原作『ボッサムおじさんの猫と付き合う法』を書いたエリオットである。
猫はエリオットにとって幼児期から身近な存在であった。(略)実業家であった父親は、(略)自宅で飼っている猫や(略)別荘にいる猫たちの絵を描いて余暇を過ごすことを好んだ。そしてエリオットは初期の詩の中で(略)『黄色い煙霧』を(略)描写したとき、なめたり喉を鳴らしたり背中を掻いたりする猫を比喩として用いている。(略)はじめて自分の猫を飼うことになり、(略)奇妙な名前をつける。(略)一般的な『ジョージ』という名前の後には『ウィスカス』『プッシュドラゴン』『プチポーズ』と続いた。
猫は彼にとって理想的なペットに思われた。現代ではほとんど知られていない十八世紀の詩人クリストファー・スマートは、特に飼い猫『ジェフリー』を讃美する詩を書いたことでエリオットの好きな詩人の仲間入りをした。」
「クリストファー・スマートの『ジェフリー』はエリオットにとって猫の詩の最高傑作であった。また、エリオットが書斎の机にゲーテ、イエーツ、ヴァレリーのポートレートと並んでグルーチョ・マルクスの写真を置いたのは、(略)並外れた猫好きに共感を覚えたがゆえであった。」

 エリオットが離婚などで「危機的な精神状態に陥っていた」頃、隣人の女性が「飼い猫のバブルスでもって、その頃彼が何よりも必要としていた精神的な癒しをもたらした。彼は、バブルスが死んだずっと後になっても、よくなついていたその猫のことを感謝の気持ちで回想している。」ということであった。
 
子供のいなかったエリオットは、代子(出版社の共同経営者たちの子供二人)の面倒をよく見て、「はじめて猫を飼うことになったその子たちが大喜びで彼に知らせてきたとき、(略)自らの経験をイラストを交えて書き送った。こうして猫のジェリローラムのすばらしい詩ができた。(略)彼の耳の上に乗るほど小さな、気が利いて役に立つ猫の詩である。」
代子のトムが四歳になったとき、「エリオットはすべての犬と猫に『フルートと笛、バイオリン、太鼓、タンバリンを持って』お誕生会に来てくれるよう、奇想天外な招待状を書いた。またあるときは、王様のペルシャ猫ミルザ・ムラド・アリ・ベグの話をした。その猫の毛皮は『血管の中に青い血が流れていたので青かった』」という。
「犯罪猫マキャヴィティを創り出したときは、(略)『シャーロック・ホームズ最期の事件』に登場する(略)モリアーティ教授が念頭にあった。後にはあまのじゃく猫『ラム・ラム・タイガー』、泥棒コンビ猫『マンゴジェリーとランペルティーザー』、鉄道猫『スキンブルシャンクス』などの詩が代子たちに郵送された。『魅惑猫グリザベラ』の詩は一部分しか残っていないが、それはその猫の物語が悲惨な結末に終わるので(略)子供の耳には相応しくなかったからだ。」

 「キャッツ」というかミュージカルに興味の無い私だが、グリザベラというのがキャッツの主役らしい、というのは知っている。

 E・T・A・ホフマンの「牡猫ムル」の項より。
「 一八二一年十一月三十日、(略)E・T・A・ホフマンは(略)次のような手書きの死亡通知を友人たちに宛てて出した。
 本年十一月二十九日より三十日にかけての夜半、わが愛する弟子の牡猫ムルは、希望に満ちた生涯の四年目にして、(略)よりよき生へと永眠するに至りました。(略)
物故せるこの若者をご存知であった方なら、わが心の悲痛をご理解くださり、そして彼に黙祷を捧げてくださることと存じます。
 七ヶ月後、ホフマン自身がこの世を去る。愛嬌のある机友達の突然の死は、(略)その前触れではあったかもしれない。彼が『明敏な牡猫ムル』と墓石に彫らせていたその時期、彼もまた病魔に侵されていたのだ。」
「 愛する猫がそばにいなくて確かに寂しかったが、また一方で、あの『極めて賢く思慮深い』牡猫が、主人の肉体の衰弱を見なくて済むことは嬉しかった。」
「もう一つのより高度な次元で彼らの親密な関係は続く。というのも、『牡猫ムルの人生観』の第二巻が印刷され、年が明けないうちに発売されることになったからである。」
 しかし、第三巻は原稿料を受け取っていて発売予定だったのにも関わらず、ホフマンには書くことができなかったそうである。遺品の中に当該の原稿は一行も見つからなかったそうだ。
「彼が愛猫の名前を最後に書き記したのは、その死の翌日である。」のが、ごく親しい人々に送られた死亡通知。「機械的に義務を果たしているのではないことが、それを受け取る人によって文面に変化をつけていることからわかる。」
ある者には、ムルを「私の愛弟子」と呼び、またある者には「その短い生涯を『美徳と正義の道を』歩んだ」と書いた。
「一九八九年秋、ベルリンで開かれた自筆原稿オークションで、手書きのムルの死亡通知状には八千マルクの値がついた。」

わが日本が誇る、漱石の「猫の死亡通知」や、内田百閒の「猫のノラを探す広告文」は古書店ではいかほどの値がついているのだろう? 漱石の「吾輩は猫である」は確か、ホフマンのこの作品を参考にしたのではなかったか?
「ホフマンは読者にも事情を打ち明ける。(略)『牡猫ムルの人生観』第二巻の終わりに(略)主人公の二重存在を明らかにする。(略)本の中の執筆する牡猫しか知らない人も、ムルが空想力豊かな作家の単なる頭の産物などではなく、実際に存在したということも知るのである。」
 ホフマンが子猫を手に入れるのは一八一七年七月頃。ホフマンはベルリン高等裁判所判事であった。「その猫は、裁判所の使いの者が、(略)未決書類を置いていくために現れるやいなや、決まってご主人の詩の原稿の上に横たわるのであり、(略)判事殿が『法学の代わりに美学に』取り組んでいることが外部に漏れることはないのだと。」
なんとも賢い猫の、ユーモアあふれるエピソードである。
 「ムル――その高貴な動物はそう呼ばれる――(略)ムルはいつもご主人の書斎にいる。そして、自分で引き出した、原稿でいっぱいの『机の引き出し』をお気に入りの場所にしている。(略)『育てられて、本当に並の動物を超える理解力を持っているように思われる、とびっきり美しい牡猫』に関して、『少なくともホフマンは、愛猫の賢さのあれこれについて語って飽きることがなかった』と述べている。」
「執筆する牡猫を描いた肖像画もホフマンの画才のおかげである。『牡猫ムル』の二巻双方の表紙絵はいずれも作者自身の手によるものであり、カール・フリードリヒ・ティーレによって銅版画に移されたのである。縞模様の美形の牡猫は優雅に思索のポーズを取り、襞の波打つショールを羽織り、意欲満々の体で右手に羽根ペンを持っている。」
この項の最後のページに、その華麗な装丁の写真が掲載されている。
療養中のホフマンに代わって友人が校正を行ったとき、下絵の牡猫が彫られたクリスタル製のガラスをお礼に献上したそうだ。
 劇場支配人がホフマンを訪ねた時、俳優と家主が重病人の話をしているとき、いったい誰が気の毒な病人なのかと訪ねる客に「寝ている牡猫を黙って指さし」たという。
「 あたかも牡猫ムルの死がさらなる災難の前触れであるかのように、(略)ホフマンの以後の人生は次から次へと不運に見舞われる。」 
風刺的な描写の小説が役所の検閲で過激な箇所を削除されて印刷が許可される、懲戒審理で免職と地方への左遷を確定的にされる。「早い死がその迫り来る屈辱から彼を救ったのである。」

四六才で死んだホフマンの未亡人に、亡き夫の友人で遺産管理人のヒツィヒは、印税が送られるように手配したが、十分ではなかったそうだ。
「彼女は二度とペットを飼わなかった。牡猫に至ってはなおさらである。比類のない、かけがえのないムル、その後を継ぐ者はついに現れないままであった。」

 アメリカ人の友人に英語圏の猫を書いた文学作品の朗読CDを貰ったのだが、残念ながらこの二作品とも挿入されていない。
 「主人公になった動物たち」の中に、「ウオーターシップ・ダウンのうさぎたち」と「かもめのジョナサン」も紹介されている。
前者は、アート・ガーファンクルがアニメ映画の主題歌で美声を披露していた。相方だったポール・サイモンは最近、刑事事件を引き起こしていたが…
後者は新潮文庫で出ているが、日本語訳はなんと、五木寛之氏。新潮は他にもウイリアム・サローヤンで翻訳家に有名人を採用している。伊丹十三、岸田今日子氏のお二人である。
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ハムレット (新潮文庫)

ウィリアム シェイクスピア / 新潮社


翻訳教育

野崎 歓 / 河出書房新社


主人公になった動物たち

ディートマー・グリーザー 著 / 北樹出版


牡猫ムルの人生観〈上巻〉 (角川文庫)

E.T.A. ホフマン / 角川書店


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by suezielily | 2014-04-27 16:20 | 猫書籍