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片山廣子「子猫ノハナシ」

 芥川龍之介や堀辰雄の憧れの女性であった、作家の片山廣子。猫が好きだったのか、「青空文庫」でも猫の題名がつく作品がある。
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「明治の末頃、田辺和気子といふ有名なお茶の先生があつた。その田辺先生に私は二年ぐらゐお茶を教へていただいた。」
「先生は不意に脳溢血で倒れて昏睡状体のまま十日ほど寝てをられたが、」
「宮様方からは立派なお見舞のお菓子や果物の籠が届いて床の間がせまくなつてしまつた。十日目になつて先生はふいと目をあけてそこらを見廻された。妹さんやお留守居の人は喜んで声を出して呼びかけたが、口はきかれず何か探すやうな様子で、しまひには右手を出して何か持つやうな手の格好であつたので、試しに鉛筆を持たせて上げると、それを器用に持たれた、それでは紙をと、小さい手帖を出して、字が書けるやうな位置にだれかが手で押へて上げると、先生は暫らく考へる姿でやがて鉛筆をうごかして何か書かれた。そばの人たちは息をひそめて待つてゐたが、鉛筆をぱたんと落して疲れたやうに眼をつぶられた。遺言と、みんなが思つた。その手帖をとり上げて妹さんが読み、つぎつぎにそばの人も読んで、みんな首をかしげた。手帖には字もはつきりと、『子猫ノハナシ』と書いてあつた。」
「新聞記者も二人ばかり訪ねて来て『子猫ノハナシ』を不思議がつたが、それはただ先生の夢の中の話なので、それきり後日談もなかつた。お葬式はすばらしく立派で賑やかで、私たちお弟子はみんな人力を連ねてお寺に送つて行つた。
 ながい年月が過ぎた今でも私は時々先生をおもひ出す、先生がぴたりと坐つてをられる静かな姿と、そして最後のあの『子猫ノハナシ』と。さめない眠りの中で私も童話のやうな子猫の世界に遊びにゆけたら幸福であらうと思つたりする。」
 「子猫ノハナシ」は謎めいているが、この田辺というお茶の先生の立派な人柄と人望が垣間見えるエピソードだ。
世話をする人はいたが、一人暮らしの女主人の貯えがどこにあるのかも分からない。
昏睡状態でようやく筆記用具を求める仕草をみせ、見守る人々の張り詰めた空気の中で、書いた「遺言」らしきものが「子猫ノハナシ」とは…
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ミーのいない朝 (河出文庫)

稲葉 真弓 / 河出書房新社

後半、どんどん暗く切ない内容になっていく。稲葉さんはミー以降猫を飼えなかったが、今別の猫がいるという。良かった。

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by suezielily | 2014-06-27 16:55 | 猫書籍