猫を題材にした小説随筆や猫好き作家をご紹介
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L・ロン・ハバード「猫嫌い」
バラエティ番組でも活躍中の荒俣宏氏が編纂した「怪奇文学大山脈Ⅲ 西洋近代名作選【諸雑誌氾濫篇】」の中にL・ロン・ハバードの「猫嫌い」という作品がある。野村芳夫訳。
この本に掲載されているL.Ron Hubbard “He didn’t Like Cats”の挿絵はEdd Cartier による。1942年。”Unknown Worlds”というパルプ雑誌。
パルプ、という表現が日本でも一般的になったのはQ・タランティーノ監督の映画「パルプ・フィクション」以降だと思うのだが、いや、それ以前からという方、ご教示を。
ベッドに身を起こしているしょぼくれた中年男性に大きな猫が口を開けて対峙している。
以下、本文より抜粋。
ジェイコブ・フィンドリーはワシントンDCに住む官庁職員。
「一介の文書整理係にすぎないジェイコブは底辺にあり、鬱憤を晴らす相手は滅多に見つからなかった。
そんなわけで彼は猫が好きでなかった。
彼より劣位の負け犬、あきらめの良い人間を捜すのは難しいだろう。(略)
それでも彼は猫が好きでなかった。(略)たいがいのことには我慢強く親切で、ヨブ並の忍耐心を備えていた。(略)
とはいえ――たぶん、それゆえ――彼は猫が好きでなかった。」
「彼は猫が好きでなかった。」という一文が前後の内容と関係が無く、唐突な印象を受ける。なかなかユニークな描写だ。
「N通りを渡った直後、彼は運命の罠――猫に遭遇した。」
「 その猫は高級アパートメントの植え込みから現れ、横柄にジェイコブ・フィンドリーを無視してその直前を横切ったのである。
出てきた猫の見てくれはせいぜい二流であったが、そのぼろぼろで傷痕だらけの姿が激闘をくぐり抜けた勝利のしるしだったとすれば、猫世界に於いては多大なる尊敬を集めていた雄にちがいない。大柄で汚れた、そしてばかに鼻高々な猫であった。(略)タフで誇り高い猫であったが、(略)したたかさを持ち合わせていた。(略)
彼は猫にびっくりした。
(略)すぐにそれは猫だと気づいた。
彼は猫に度肝を抜かれたのだ。
そして、読者もご承知の通り、彼は猫が好きでなかった。」
フィンドリーと猫の間にある事が起り、その後、知人のベシー・グリーンに呼び止められる。
「『 ワシントンにはただでさえ男が少ないのに、(略)ジョーは、(略)去っていった。(略)』『(略)もしもうちの猫たちがいなかったら、きっとどんなに寂しかったかわからない』
『猫たち?』ジェイコブはごくりと息をのんだ。
『ええ、そう、いたいけな猫ちゃんたち。(略)猫ちゃんはお好きでしょ、ジェイコブ?』
(略)『猫?』ジェイコブは言った。『あ、そう、そう。猫ね。好きですとも。(略)』
本書は、荒俣氏渾身の編纂なのだろうが、何だかハーレクイン・ロマンスのような本当にパルプな物もいくつかあるが、この作品は中々不気味で面白い。
しかし大抵の作品よりも荒俣氏の解説のほうが俄然面白く、彼の作品をもっと読みたくなった。
TV出演の際に、お笑い芸人にイジられる容姿はともかくとして。
容姿といえば、「週刊文春」で春日太一氏の写真を見て驚いた。長身の着物姿は、眼鏡の似合う美男子である。
高倉健や菅原文太よりも成田三樹夫(「極道の妻たち」で岩下志摩に「あの人は白がよう似合う」と言われていた)について、熱く語っておられた。
この本に掲載されているL.Ron Hubbard “He didn’t Like Cats”の挿絵はEdd Cartier による。1942年。”Unknown Worlds”というパルプ雑誌。
パルプ、という表現が日本でも一般的になったのはQ・タランティーノ監督の映画「パルプ・フィクション」以降だと思うのだが、いや、それ以前からという方、ご教示を。
ベッドに身を起こしているしょぼくれた中年男性に大きな猫が口を開けて対峙している。
以下、本文より抜粋。
ジェイコブ・フィンドリーはワシントンDCに住む官庁職員。
「一介の文書整理係にすぎないジェイコブは底辺にあり、鬱憤を晴らす相手は滅多に見つからなかった。
そんなわけで彼は猫が好きでなかった。
彼より劣位の負け犬、あきらめの良い人間を捜すのは難しいだろう。(略)
それでも彼は猫が好きでなかった。(略)たいがいのことには我慢強く親切で、ヨブ並の忍耐心を備えていた。(略)
とはいえ――たぶん、それゆえ――彼は猫が好きでなかった。」
「彼は猫が好きでなかった。」という一文が前後の内容と関係が無く、唐突な印象を受ける。なかなかユニークな描写だ。
「N通りを渡った直後、彼は運命の罠――猫に遭遇した。」
「 その猫は高級アパートメントの植え込みから現れ、横柄にジェイコブ・フィンドリーを無視してその直前を横切ったのである。
出てきた猫の見てくれはせいぜい二流であったが、そのぼろぼろで傷痕だらけの姿が激闘をくぐり抜けた勝利のしるしだったとすれば、猫世界に於いては多大なる尊敬を集めていた雄にちがいない。大柄で汚れた、そしてばかに鼻高々な猫であった。(略)タフで誇り高い猫であったが、(略)したたかさを持ち合わせていた。(略)
彼は猫にびっくりした。
(略)すぐにそれは猫だと気づいた。
彼は猫に度肝を抜かれたのだ。
そして、読者もご承知の通り、彼は猫が好きでなかった。」
フィンドリーと猫の間にある事が起り、その後、知人のベシー・グリーンに呼び止められる。
「『 ワシントンにはただでさえ男が少ないのに、(略)ジョーは、(略)去っていった。(略)』『(略)もしもうちの猫たちがいなかったら、きっとどんなに寂しかったかわからない』
『猫たち?』ジェイコブはごくりと息をのんだ。
『ええ、そう、いたいけな猫ちゃんたち。(略)猫ちゃんはお好きでしょ、ジェイコブ?』
(略)『猫?』ジェイコブは言った。『あ、そう、そう。猫ね。好きですとも。(略)』
本書は、荒俣氏渾身の編纂なのだろうが、何だかハーレクイン・ロマンスのような本当にパルプな物もいくつかあるが、この作品は中々不気味で面白い。
しかし大抵の作品よりも荒俣氏の解説のほうが俄然面白く、彼の作品をもっと読みたくなった。
TV出演の際に、お笑い芸人にイジられる容姿はともかくとして。
容姿といえば、「週刊文春」で春日太一氏の写真を見て驚いた。長身の着物姿は、眼鏡の似合う美男子である。
高倉健や菅原文太よりも成田三樹夫(「極道の妻たち」で岩下志摩に「あの人は白がよう似合う」と言われていた)について、熱く語っておられた。
by suezielily
| 2015-02-20 19:38
| 猫書籍