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谷崎潤一郎伝

 小谷野敦の「谷崎潤一郎伝 堂々たる人生」を借りた。
https://books.google.co.jp/books/about/%E8%B0%B7%E5%B4%8E%E6%BD%A4%E4%B8%80%E9%83%8E%E4%BC%9D.html?id=v_cPAAAAYAAJ&hl=ja

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「出版社中央公論新社, 2006
書籍の提供元   バージニア大学
デジタル化された日   2007年10月25日     445 ページ」
以下、目次。
「作家の『誕生』/汽車恐怖症前後/長男としての潤一郎
結婚と支那旅行―大正中期の谷崎/小田原事件―佐藤春夫と妻千代
関東大震災前後―横浜から関西へ/妻君譲渡事件と和田六郎―昭和初年の谷崎
古川丁未子の真実―谷崎第二の妻/「松子神話」の完成まで
谷崎をめぐる人々/『源氏物語』から敗戦まで/京の谷崎―戦後の日々
渡辺千萬子と晩年の谷崎/ 『女中綺譚』と『犬猫記』/終焉」

 「第十四章 『女中綺譚』と『猫犬記』」という章がある。「猫と犬」より、抜粋。
「犬猫記」ではなくて猫が犬に先んじているのが、さすが谷崎。
「 谷崎は猫と犬を飼うのが好きで、横浜時代から飼っていたようだ。当時は、(略)ペットを飼う人も多くなかったから、(略)富裕階級だけの高級な趣味だった。(略)
『大阪朝日新聞』の猫の記事(細江、一九九三年に紹介)では、『一時は十一ぴきどこぢやないもつとゐたんですが』とあるから、この時点で猫が十一匹いたことになる。(略)
昭和五年一月の随筆『猫――マイペット』には、ペルシャ猫が三匹と、アメリカ猫、イギリス猫、日本猫の混血の六匹いるとあり、(略)ペルシャのうち二匹は、上山草人がアメリカ土産に、シルヴァーの雄猫とブルーの雄猫を持ってきて、谷崎はシルヴァーの雌とブルーの雄を貰い、(略)となると、『台所太平記』で女中の名に使ったのは、この猫たちの名前だったわけだ。」
 細江光が谷崎潤一郎研究の第一人者である。
 上山草人(一八八四-一九五四)は、大正前期、早川雪洲と同時期にハリウッドで成功した日本人俳優だそうだ。晩年は主演級の役を演じることも無かったようで、「七人の侍」に盲目の琵琶法師の役を演じ、それが最後の映画出演だったという。谷崎と深い親交があり、猫を譲ったとあっては、「七人の侍」を今後見る時に、別の楽しみができた。
「第七章 妻譲渡事件と和田六郎――昭和初年の谷崎」より、抜粋。
「大正十五年の(略)十一月、(略)二十三日、『大阪朝日新聞』に『猫の家を訪ねて――谷崎潤一郎氏の猫の趣味談を聞く』という記事が出た。そこに写真の出た猫を見たいといって、大阪府女子専門学校(略)英文科の隅野滋子と武市遊亀子が訪ねてきた。猫は口実で、(略)以後、大阪女専の学生が次々と谷崎宅に引き寄せられる結果となる。」
「第九章 『松子神話』の完成まで」より、抜粋。
 「その秋、丁未子は文藝春秋社に復帰した。(略)
十二月、谷崎は、猫を使って男を取り戻そうとする女の話『猫と庄造と二人のをんな』の前編を『改造』新年号に発表したが、後編は翌年七月号まで出なかった。それは、むろんこれが丁未子をモデルにしているからで、」
 おや。二番目の妻であった丁未子がモデルとは? 品子、福子のどちらが? 私は最初の妻の千代が「品子」だと思っていた。丁未子もしっかり者のようだし、裕福な家庭の、不良少女だという「福子」は松子、なのか。
 「猫と庄造と二人のをんな」は好きな作品だ。
しかし、芥川の「奇怪な再会」と、室生犀星の自伝的な短編小説のなかに、そっくりな設定がある。芥川、犀星の作品のほうが谷崎作品よりも先に発表されている。猫ではなくて、犬だけれども。夫が、妻があまりにも犬を可愛がるので嫉妬する描写があるのだ。芥川、室生作品を後になって読んだものだから、谷崎作品について以前ほど手放しで好きだ、と思えなくなった。
「猫と庄造と二人のをんな」は、猫関連の雑誌やムック本、TV番組で何度も紹介される。芥川はともかく、三人のなかで一番売れっ子の作家ではなかった犀星が気の毒になる。ずるいよなあ、谷崎。
 この谷崎伝のうち、やはり妻譲渡のパートが一気に読ませる。意外だったのがもう一つ、「蓼喰ふ虫」の「美佐子」の恋人、「阿曾」のモデルが佐藤春夫ではなく、和田六郎(大坪砂男)だったということ。小栗虫太郎や久生十蘭、夢野久作などの選集が並べられた図書館の書架で見た名前である。日本における、探偵小説の黎明期に登場した作家だったと思うが、ご存知の方、ご教示を。
「蓼喰ふ虫」では主人公の斯波要(谷崎潤一郎)の、従弟の高夏秀夫が佐藤春夫らしい。そのほうが、自然だ。高夏は美佐子のことを心配し、斯波夫妻の冷え切った関係を薄々察している息子(谷崎、千代夫妻の子供は実際は、娘)とも仲が良い。斯波は身勝手だが、高夏は好人物として谷崎は描写している。
「蓼喰ふ虫」をエドワード・サイデンステッカーが英訳している。”Some prefer Nettles”が英題。
ノーベル文学賞の候補作。
 佐藤春夫といえば、又吉直樹の芥川賞受賞効果なのだろうか、又吉が好きな太宰治が芥川賞を懇願する手紙についての報道があった。その手紙じたいはもっと以前に発見、公表されていたはずなので、最近になってあらためて、スポットが当たったというところだろう。
 この谷崎伝は他にも芥川龍之介との論争や、江戸川乱歩に関するパートも大変面白いので、是非ご一読を。
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文藝ガーリッシュ 素敵な本に選ばれたくて。

千野 帽子 / 河出書房新社


Some Prefer Nettles (Vintage Classics)

Junichiro Tanizaki / Vintage Classics



谷崎潤一郎伝―堂々たる人生

小谷野 敦 / 中央公論新社


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by suezielily | 2015-09-28 15:51 | 猫書籍