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高見浩訳「雨のなかの猫」

 ヘミングウエィの「移動祝祭日」が再評価されている。パリのテロ事件以来のことだそうだ。
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図書館で検索していたら、新潮文庫の高見浩の飜訳で「ヘミングウエィ全短編1 われらの時代 男だけの世界」が見つかった。「移動祝祭日」は収録されていないが、後日改めてということでそちらを借りる。
 ちくま文庫で西崎憲の飜訳で以前レビューを書いた「雨の中の猫」であるが(有難いことに過去ログ中、閲覧回数が多い)、高見氏の訳との違いを抽出してみる。なお、”Cats in the rain” の原題は「雨のなかの猫」となっている。
 西崎憲版
「窓の真下に水滴を滴らせる緑色のテーブルがいくつかあり、そのひとつの下に一匹の猫がうずくまっていた。猫は滴ってくる雨水に濡れないようにできるだけ身を縮めていた。」
高見浩版
「その窓の真下、雨滴がしたたり落ちている緑色のテーブルの下に、猫が一匹うずくまっていた。雨滴に濡れまいとして、一生懸命体を丸めている。」
西崎憲版
「『仔猫が欲しい。膝の上に乗せて、撫でるとごろごろ喉を鳴らす仔猫が欲しい』」
高見浩版
「『膝にのせて撫でてやると喉をゴロゴロ鳴らすような、そんな子猫もほしいし』」
西崎憲版
「『それに自分のスプーンとフォークを使ってテーブルで食べたい。(略)それから仔猫が欲しい、新しい服が欲しい』(略)『猫が欲しい。いま欲しい。髪も伸ばせなくて、ほかにも楽しいことがないんだったら、猫くらい飼っていいはずよ』」
高見浩版
「『それにあたし、自分の銀器がちゃんと揃ったテーブルでお食事がしたいし、(略)それに子猫もほしいし、新しいドレスも何着かほしい』(略)『猫がほしい。いますぐに猫がほしい。髪をのばして楽しめないなら、せめて猫を飼ったっていいじゃない』」
 西崎氏の他の飜訳部分は、今手元に無いのでこの3箇所でしか比較できない。
最初のパートは、本文中猫が初めて登場するところ。
字数では高見氏が少ない。簡潔だが、猫が雨滴を避けようと懸命なところに臨場感がある。
他の2箇所は、やはり妻の「旅から旅への移動生活をやめて、どこかに定着して自分の食器や猫や新調のドレスが欲しい」という切迫した感情が出ているのは高見訳だ。
というわけで、高見氏に軍配。
 巻末に「パリのヘミングウエィ――His life and works in the Paris years――」と解説がある。
史実に基づいてだろう、24歳の頃のヘミングウエィをイメージしている。
一九二五年の十月、愛息“バンビ(ジョン)”が生まれている。当時の妻は、ハドリー。
翌年の二月に妻の出産のためにアメリカに一時帰国していたが、五月までのわずか三ヵ月の間、「雨のなかの猫」、「ある訣別」、「インディアンの村」、「兵士の故郷」、「エリオット夫妻」、「クロス・カントリー・スノウ」を仕上げている。
 「われらの時代」の原題は、大文字で”IN OUR TIME”だという。文体の実験に賭けた短いスケッチ集だとも。一九二五年十月にアメリカの大手出版社から出版された。「各短編のあいだに短い中間章をはさんだこの構成」も読んでみると、闘牛士と牛の描写などがあって本編というか各短編とどう繋がるのか、正直分からない。が、西崎氏のちくま文庫版はこの章を掲載していなかったような覚えがある。
ヘミングウエィの短編のなかから、特に優れたものを編んだという体裁だったのかもしれない。
新潮文庫版は、解説までセットで読むとなお、翻訳者の原作への愛情が伝わる。
「『インディアンの村』は、(略)ヘミングウエィの父は実際に外科の開業医だったし、(略)最初にインディアンの村に赴くボートの上では父親を“お父さん(dad)”と呼んでいたニックが、産婦の家に着いて異様な雰囲気に接するにつれて、(略)“パパ(daddy)”と呼びだしていることに注目したい。」
この箇所を読むまで、その違いに気がつかなかった。
余談だが、人称主語や代名詞の飜訳については、伊丹十三が飜訳したW・サローヤンの「パパ・ユーアー・クレイジー」の解説で初めて、単純なようでとても重要なことだと気がついた。
「ヘミングウエィとハドリーは一九二三年の二月から三月にかけて、(略)イタリアの各地を実際に旅している。(略)イタリア旅行の一場面を基に書かれたのが、『雨のなかの猫』である。
(略)『雨のなかの猫』の主題は明らかだろう。(略)雨に濡れている猫を拾いにいこうとする妻。それを冷淡に見送る夫。ひそやかな亀裂の背後にあるものを、(略)容易に見通せるはずである。」
 この後にも登場する猫について重要な解釈が書かれているのだが、ネタばれなので是非、本書を手にとっていただきたい。
冷淡に、というと実際のヘミングエウィは猫を大変愛していたのであるが、そのことと作品中の妻との感情のすれ違いは無関係だろう。
 キーウエストにヘミングウエィ記念館があるが、かつて彼が飼っていた「六本指の猫」の血筋にあたる猫も他の多くの猫たちとともに、そこに住んでいる。岩合光昭氏のBSの番組にも館内の様子がみられた。
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by suezielily | 2015-12-21 16:09 | 猫書籍