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チェーホフ「犬を連れた奥さん」

 岩波文庫の「可愛い女・犬を連れた奥さん 他一篇」を借りた。神西清の訳。

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アントン・チェーホフ(Anton Chekhov)における神西清というのは、英米文学でいうと、サリンジャーにおける野崎孝のような翻訳者なのだろうか。それは違う、と思う方、ご指摘を。
「犬を連れた奥さん」の原題は” DAMA S SOBACHKOI”で1940(昭和15)年10月5日第1刷発行、   2004(平成16)年9月16日改版第1刷発行。ネット上では「青空文庫」でもチェーホフ作品はいくつか読むことができる。やはり神西清の飜訳した作品が多くアップされている。
 以下、「犬を連れた奥さん」より抜粋。
「一
 海岸通りに新しい顔が現われたという噂であった――犬を連れた奥さんが。ドミートリイ・ドミートリチ・グーロフは、ヤールタに来てからもう二週間になり、この土地にも慣れたので、やはりそろそろ新しい顔に興味を持ちだした。ヴェルネ喫茶店に坐っていると、海岸通りを若い奥さんの通って行くのが見えた。小柄な薄色髪(ブロンド)の婦人で、ベレ帽をかぶっている。あとからスピッツ種の白い小犬が駈けて行った。
それからも彼は、市立公園や辻の広場で、日に幾度となくその人に出逢った。彼女は一人っきりで、いつ見ても同じベレをかぶり、白いスピッツ犬を連れて散歩していた。誰ひとり彼女の身許を知った人はなく、ただ簡単に『犬を連れた奥さん』と呼んでいた。」
 ニキータ・ミハルコフ監督の「黒い瞳」では、この作品と他の短編を併せた脚色になっている。
所持していたパンフに寄稿した中村雄二郎によると、それは「小犬を連れた奥さん」、「妻」、「頸にかけたアンナ」、「誕生パーティー」ということのようだ。
中村雄二郎は「小犬を連れた奥さん」と表記しているので、彼が読んだのは神西訳ではないのだろうか?
他に、安岡章太郎、辻邦生、島田雅彦、朝倉摂、淀川長治、池田理代子、黒澤明、岸田今日子、吉行和子、南俊子、武満徹といったそうそうたるメンバーが寄稿している。中村雄二郎の指摘では、「『妻』との怪談のような関係、」とあるので、つい溝口健二監督の「雨月物語」も思い出す。
 映画では主人公のドミートリイは、イタリア人の「ロマーノ」という名前になり、マルチェロ・マストロヤンニが演じている。
「背の高い眉毛の濃い女で、一本気で、お高くとまって、がっちりして、おまけに自ら称するところによると知的な婦人だった。」と描写される妻を演じたのが、これまたイタリアの大女優、シルヴァーナ・マンガーノ。以前は彼女が若い頃に溌剌としたダイナマイト・ボディーを魅せた「苦い米」をNHKで放映していたものだ。マストロヤンニの「ひまわり」にしても、更に多くの回数で上映されていたように思う。
「ひまわり」で主演したソフィア・ローレンとともに、大柄な魅惑的な容姿に、大胆でいて繊細な演技力の持主であった。
マンガーノはヴィスコンティ作品で、マストロヤンニはフェリーニ作品で重要な役を演じた。二大巨匠に愛された名優がチェーホフ原作にミハルコフ監督作品で共演、と贅沢なことであった。
兄のアンドレイ・コンチャロフスキー監督に「暴走機関車」という映画があったが、あの映画は黒澤明監督が撮影する企画もあったという。弟のミハルコフ監督の「黒い瞳」を鑑賞してパンフに寄稿する、これまた贅沢なことである。
「彼は優しく小犬においでおいでをして、その寄って来たところを、指を立てておどかした。小犬はううと唸った。グーロフはもう一度おどかした。
 奥さんはちらっと彼の方を見て、すぐまた眼を伏せた。
『咬みは致しませんのよ』と彼女は言って、赧くなった。」
 私は「犬を連れた奥さん」しか読んでいないので、映画の断片を思い出しつつ、かなり違う脚色になっているのだけは分かるという程度。
マストロヤンニの円熟の演技と、白い布が掛けられた豪華な家具調度類が特に印象的であった。
貴族の屋敷の家具調度に白い布が掛けられている、というのはどういうことか。マストロヤンニの豊かな表情とともに、切なく思い出す。主演の女優はびっくりするほどの美貌というわけではなかったが、パンフの表紙の表情は美しい。
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by suezielily | 2016-06-08 17:57 | 文学