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三島由紀夫「命売ります」

三島由紀夫の「命売ります」より、抜粋。
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「(略)『(略)ただ一つ僕はシャム猫を飼いたいと思いながら、億劫でとうとうチャンスがなかったので、僕が死んだら、僕の代わりにシャム猫を飼って下さるとありがたいです。そして牛乳はふつうsの皿でなく、(略)大きなシャベルに入れて呑ませてほしいんです。最初の一口二口をピチャピチャ呑んだら、シャベルでピョンと猫の顎をはね上げてやってほしいんです。猫の顔は牛乳だらけになって濡れるでしょう。(略)』」
「 塀の上を歩いてゆく猫が見えた。猫はそれから桜の黒い枝へ飛び移って、体をくらげのように揺らしながら、枝を伝って下りて行った。」
「 猫をからかっていると、ニャアと言ってあけたその魚臭い口のなかの暗闇に、突然、大空襲の焼跡の都市みたいな、真黒な廃墟の町がひろがっていること。
 そう言えば、彼は熱心にシャム猫を飼おうと思いつめていたことがあった。(略)
シャム猫の鼻先に、シャベルでミルクをやって、呑もうとするとシャベルをはね上げて、猫の顔をミルクだらけにしてしまうこと。
彼の空想裡できわめて重要だと思われたこの儀式は、日本の政治経済すべてにとっても重要なのにちがいなかった。(略)一匹の高慢ちきな猫の、思いもかけぬ不面目によって、われわれは、猫を飼っているということの意味を、よくよく知ることができるのだ。」
「羽仁男の考へは、すべてを無意味からはじめて、その上で、意味づけの自由に生きるといふ 考へだつた。そのためには、決して決して、意味ある行動からはじめてはならなかつた。
まづ意味ある行動からはじめて、挫折したり、絶望したりして、無意味に直面するといふ人間は、 ただのセンチメンタリストだつた。命の惜しい奴らだつた。
戸棚をあければ、そこにすでに、堆い汚れ物と一緒に、無意味が鎮座してゐることが
明らかなとき、人はどうして、無意味を探究したり、無意味を生活したりする必要があるだらう。
(略)そのとき、(略)猫かと思ったら、玲子だった。(略)
猫のようにものうげに坐ったまま、
『おいしい?』と玲子はきいた。」
「『命を売るのは君の勝手だよ。別に刑法で禁じてはゐないからね。犯人になるのは、
命を買つて悪用しようとした人間のはうだ。命を売る奴は、犯人ぢやない。ただの人間の屑だ。
それだけだよ。』」
 地元の書店でなぜかこの作品がポップ書きを添えて、平積みにされて置いてある。三島作品のなかでは、比較的若い人にも読みやすいという判断なのだろうか。
 猫、とくにシャム猫の隠喩は一体なんだろう。
引用した箇所の、省略部分にはっきりそれと分かる形容がある。是非本書を手にとって確認していただきたい。ある登場人物の苗字を、「谷は、谷首相の、谷」などと書かれているので、三島のいわんとすることは明白である。(実際には「谷」ではなくて別の名前。わざと私が変えました)
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決定版 三島由紀夫全集〈12〉長編小説(12)

三島 由紀夫 / 新潮社


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by suezielily | 2016-08-14 18:08 | 猫書籍