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松本清張「半生の記」

松本清張「半生の記」を借りた。
以下、本文より抜粋。
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「原久一郎訳のゴーリキイの「夜の宿」を読み、その陰惨な生活が当時の自分にひどく親近感を持たせた憶えがある。」
「この時代のことをざっと流してかけば、わたくしは十四年に属托、十七年目に初めて正式な社員として入社した。(略)
当時の朝日新聞は、身分制で、それによって待遇が異なった。例えば、給料日は社員と準社員が二十五日で、雇人は参加の資格がない。これが雇人たちの劣等感をどれほど煽ったかしれなかった。」
「砂を噛むような気持ちとか、灰色の境遇だとか、使い馴らされた形容詞はあるが、このような自分を、そんな言葉では言い表せない。絶えずいらいらしながら、それでいて、この泥砂の中に好んで窒息したい絶望的な爽快さ、そんな身を苛むような気持ちが、絶えず私にあった。

家の近くに廃止になった炭坑があった。あまり高くはないがボタ山がある。私は一番上の女の子を連れて、夜、その山の頂上に立ち、星座の名前を教えた。山の端から昇ってくるサソリ座は赤い眼を輝かせ、図で見るよりは意外に大きな姿で昇ってくる。天頂には三角形に白鳥座と鷲座とがある。私は子供に『あれがデネブだ』『あっちがアルタイルだ』と指さして教えたが、そんなことでもするより仕方がなく、私の心には星は一つも見えなかった。

内職もないときの日曜日は、どこに行くあてもなかった。家に居てもいらいらし、外に出ても空虚さは満たされなかった。(略)
仕事をしていても、私の額からは冷たい汗が流れ、絶えずタオルが必要で、仲間に笑われた。神経衰弱になっていたのかもしれない。夜もあまり眠れなかった。(略)

ただ苛立たしい怠惰の中に身を浸していた。心はとげとげしいのに、身体はけだるく、脳髄はだらけていた。本一冊読む気も起こらなかった。読書もむなしいとしか思えなかった。」
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by suezielily | 2016-08-20 21:10 | 文学