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小林一茶の猫

岩波文庫の 「新訂 一茶俳句集(丸山一彦校注)を借りた。 
寛政、享和、文化、文政の27歳から64歳までの句を収録。一茶が猫を詠んだ句は数多いという。
 宝暦十三(1763)~文政十年(1827)年の生涯で何匹の猫と出会い、句に詠まれたのであろう。 


小林一茶の猫_e0265768_18282373.jpg





洗ひ猫、というのが分からない。
 猫が自分で身体を洗う、舐めて化粧をすることだろうか、それとも一茶が洗ってやったのだろうか?
梅の木の上や縁側で乾かしていた、如月の頃だろうからまだまだ寒い時期だったのかもしれない。
松岡正剛氏の千夜千冊『一茶俳句集』 小林一茶の項では
「だからぼくには、こういう知られた動物の句よりも、同じ生き物の句でも、たとえば『猫の子がちょいとおさへる落葉かな』や『一つ蚊のだまってしくりしくりかな』のほうが、ずっといい。」と、ある。
知られた句というのは、「我と来て遊べや親のない雀」、「雀の子そこのけそこのけお馬が通る」などのことである。
松岡氏の書評にとてもはまっている私であるが、全て引用するととても長くなるので、興味のある人は氏のサイトをご覧頂きたい。

私が一番好きな句は文政十二年、53歳の時に詠まれた「猫の子の命日をとぶ小てふ哉」である。
命日まで覚えているとは、相当その猫を可愛がっていたのであろう。
小さな蝶になって一茶の前に現れたような心持ちがしたのであろうか。

「ぽちたま」で数年前、「土曜日のにゃんこ」でつい最近、小林一茶記念館を紹介していた。
近所の飼猫兄妹が開館時間よりも早く遊びに来て、館長さんが鍵を開けてあげていた。
まさしく「迎に出たる庵の猫」である。
最近放送された記念館映像ではその兄猫の姿が無かった。
妹の三毛猫が紅葉の中を散歩する姿に「落葉かな」の句を詠みあげるアナウンサー。

私も詠もう。 
「かさかさと 三毛がひとりで 踏む落ち葉」
「兄いずこ かげ膳枯葉の お皿かな」…
館長がご飯皿を一匹分しか用意していなかったので、勝手に判断して詠んでみたのだが。
以下、一茶の俳句

「火の上を上手にとぶはうかれ猫」
「庵の猫玉の盃そこなきぞ」「なの花も猫の通ひぢ吹とぢよ」
「あまり鳴て石になるなよ猫の恋」「陽炎にくい/\猫の鼾かな」
「蒲公〔英〕の天窓はりつゝ猫の恋」「綿くりやひよろ〔り〕と猫の影法師」「陽炎や猫にもたかる歩行神」「嗅いで見てよしにする也猫の恋」「紅梅にほしておく也洗ひ猫」(自筆本は「紅梅や縁にほしたる洗ひ猫」)」「鼻先に飯粒つけて猫の恋」
「猫の子が蚤すりつける榎かな」「うかれ猫奇妙に焦て参りけり」
「寝て起て大欠〔伸〕して猫の恋」「大猫の尻尾でじやらかす小てふ哉」(八番日記は中七「尻尾でなぶる」)「猫の子や秤にかゝりつゝざれる」「梅咲やせ(しや)うじに猫の影法師」「猫の子のくる/\舞やちる木のは」「猫の子のほどく手つきや笹粽」(文政句帖は「笹粽猫が上手にほどく也」)「猫の飯相伴するや雀の子」
「蝶〔々〕を尻尾でなぶる小猫哉」(文政句帖は中七を「尻尾でざらす」)
「しぐるゝや迎に出たる庵の猫」
 歩行(あるき)神 ― 人にとりついてそぞろ歩きを誘う神。

While plum blooming, I see the cat’s silhouette of the shadow through the paper screen. 
(translated by suzielily)


一茶俳句集 (岩波文庫)

小林 一茶 / 岩波書店





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松岡 正剛 / 求龍堂


by suezielily | 2012-05-27 18:54 | 猫書籍