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猫を題材にした小説随筆や猫好き作家をご紹介


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ネコ文学のまくら1

下記のア~オの小説、随筆は猫を描写した作品です。冒頭部分(まくら)と、作家、作品名を組み合わせて下さい。
作家名 1 芥川龍之介 2 柴田よしき  3  田中貢太郎 4 吉行理恵 5 久坂葉子
作品名 A 猫の踊 B 猫 C 雲とトンガ D 賢者の贈り物 E お富の貞操
ア  ドンドンという鈍い音が響いてきたとき、泥棒が入ったのだと思った。音は天井の片隅から聞こえてくるから、上の空き部屋を歩いているのだと考えながら目を覚ました。  「あ」  引き出しの中を、妹猫が覗き込んでいる。特別ずっしりした箪笥で、猫の力で開くとは考えられないことだった。
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イ もう一度Tに会ひたいと思った。しかし、その気持を押へなければならないとも思った。Tが結婚するといふ事をきいてから一週間、どっちつかずの気持で過ぎた。『美術書、高価買入レマス』といふTの店の前を幾度か通った。

ウ  猫を膝の上にのせていると、もうとっくに忘れたと思っていたことを次々と思い出すことがある。 たとえば、小学生の時、母親のコートの襟に取り外しのできる毛皮がついていたのを見つけて、こっそりホックをはずして自分の首に巻いてみた時のこと。顎の下がかゆくてかゆくて我慢できないほどだったのに、鏡の前で長いこと我慢して立っていて、母親に見つかって取り上げられた。

エ  一   明治元年五月十四日の午過ぎだつた。「官軍は明日夜の明け次第、東叡山彰義隊を攻撃する。上野界隈の町家のものは匆々何処へでも立ち退いてしまへ。」――さう云ふ達しのあつた午過ぎだつた。下谷町二丁目の小間物店、古河屋政兵衛の立ち退いた跡には、台所の隅の蚫貝の前に大きい牡の三毛猫が一匹静かに香箱をつくつてゐた。

オ  老女は淋しい廊下を通って便所へ往った。もう夜半を過ぎていた。真暗い部屋の前を通って廊下を右へ曲ると、有明の行灯の灯のうっすらと射した室へ来た。老女はその前へ往くとどうしたのか足を止めた。それはその室の中で何人かが立ちはだかって、踊でもやってるのか調子のある軽い跫音をさして、そのものの影であろうぼんやりしたものの影が障子に動いていた。
 
尚、「賢者の贈り物」は「猫探偵 正太郎の冒険② 猫は聖夜に推理する」に収録されています。
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by suezielily | 2013-01-22 19:04 | 本のまくらquiz