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石田孫太郎「猫」


 石田孫太郎(1874-1936)の「猫」を読んだ。
以下、河出文庫のHPより、目次。


石田孫太郎「猫」_e0265768_15491324.jpg





「目次     第1章 猫     第2章 猫の日常生活     第3章 猫の智情意     第4章 猫の実用   第5章 猫の美談
第6章 猫に関する重大なる伝説   第7章 猫辞典    第8章 猫の帰らぬ時の心得    第9章 猫と俳句の宗匠  
絶筆 虎猫平太郎―小仏山人(石田孫太郎)」

以下、本文より抜粋。

39ページ
「第一章 猫  
第4節  猫の毛色と雌雄」より、抜粋。
「(略)
 今我輩が調査したる三百五十八頭の猫について、その毛色と雌雄の関係を示してみよう。
 毛色別        雌猫………雄猫    計
 虎猫(白茶二色)………十八……一〇三……一二一
三毛猫(白茶黒三色)………八六……四……九〇
熊猫(純黒一色)………五……三八……四三
斑猫(黒白二色)………五九……四五……一〇四
計        一六八   一九〇   三五八
(略)前表によれば虎猫百二十一頭の中には雌が十八頭なるに雄は百〇三頭あり、三毛猫にはその反対に雌雄合して九〇頭中雌八十六頭では雄は僅かに四頭しか無い。(略)
以て正を得たりとは言えぬが、されど俗間唱うるところの三毛猫には雄が少なく虎猫には雌が少ないとの俚語に顧みても、またさまで誤っていないようにも思われるのである。
それからまた誰に聞いてみても三毛猫は大抵雌で虎猫は大抵雄であると言うておる、この事実はひとり我国産の猫のみではない。西洋の猫においても同様の結果を現わしているということであるのをみるも、(略)しからばその原因いかん、何故にかかる事実を現わすかについては、(略)しばらく疑問として篤学の士の明教を待つ。」

170ページ
「第九章  猫と俳句の宗匠」より、抜粋。
「うらみ
 葛の葉のうらみの助や男猫
周東
見かはす恋
あくがれて琴柱斃すや雲居猫
宜藤」
 
225ページ
「絶筆 虎猫平太郎」より、抜粋。
 「 ねこという言葉
(略)三毛猫に雄の少ない理由を研究しても、相当の学問と実験とが必要であって、(略)歴史の方面では津国登一氏、俗学の方面では八幡関太郎氏など、(略)第一人者であろう。
(略)ここに猫という言葉の出現について、一言してみようと思うので、その正当な所論の持主たる津国氏の意見に(略)従うことが多かろうと思う。」

 明治四十三年にこの名著は登場している。
漱石の「吾輩は猫である」は既に出版されており、石田氏の飼い猫の虎猫が語るという形式の「虎猫平太郎」は、勿論漱石の著作に影響を受けているようだ。
問題はこの作品のなかで「されど俗間唱うるところの三毛猫には雄が少なく虎猫には雌が少ないとの俚語に顧みても、またさまで誤っていないようにも思われるのである。」という記述があることだ。
芥川龍之介(1892―1927)の「お富の貞操」で重要な登場人物(猫物)の「三毛公」は雄である、という記述に猫好きな読者はざわめいた。
芥川は、あるいは当時の人々は三毛猫に雄が少ないということを知らないのではないか?ということ。
石田氏は猫の専門家というよりは養蚕研究家であるが、芥川は明治二十五年生まれ。
より猫に関心が強い石田氏であるから知っていたのかもしれない。
「俗間唱うるところの三毛猫には雄が少なく」というから、明治大正時代、あるいはそれ以前の人々も、「三毛猫には雄が殆どいない」ことに何となく気がついていたのであろうか?
私も、三毛猫の雄には会った事がない。

 TVドラマ、映画「猫タクシー」のみーすけ君(亡くなられたそうだ)が、三毛の雄であったが、画面は写真を通して、彼一匹しかお目にかかったことがない。
茶虎の雌雄については、なるほど雄のほうが多いような印象だが、雌の茶トラにも何匹も会ったことがある。

石田孫太郎「猫」_e0265768_15492413.jpg

だから猫は猫そのものではない

寺田寅彦,夏目漱石,宮沢賢治,薄田泣菫,豊島与志雄,島木健作,田中貢太郎,海野十三,楠山正雄,石田孫太郎/凱風社

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猫と色の嗜好

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by suezielily | 2017-10-06 17:02 | 猫書籍