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村上龍「Sixty Nine」(英訳)


村上龍の「Sixty Nine」の英訳を借りた。
講談社インターナショナル。Ralph F. McCarthy訳。
以下、本文より抜粋。
尚、英文なので「(略)」は「(…)」と表記する。


村上龍「Sixty Nine」(英訳)_e0265768_16410505.jpg







p7 「Arthur Rimbaud」より。
「Nineteen sixty-nine was the year the entrance examination for Tokyo University were canceled.(…)
I went to a college-prep school high in a little city with an American military base on the western edge of Kyushu .」

11p
「 I showed Adama a book of Rimbaud’s poetry.
Too bad he didn’t say “No, thanks” and turn away .He went ahead and read it. (…)
, I can see that it was a dramatic turning point in Adama’s life.

I have found it.
What?
Eternity
It’s the fusion of sun and sea


16p
「”Rimbaud was a big influence on Godard. (…)”
“Ah, Godard. I know who he is. (…)”
(…)
“He was a poet from India, right?”
“That’s Tagore, dummy. Godard’s a film director”」

「Claudia Cardinale」より。

77p
「 “Well, if we ‘re going to film in summer, (…)”
“(…) as I’d thought up so far.
“It’ll be like a combination of Andalusian Dog and Scorpio Rising….
We’ll start out with a dead black cat hanging from a tree, and we’ll pour gasoline over it and burn it up, (…).
It suddenly occurred to me that there was no place for Kazuko Matsui in a film like this. (…)
Adama looked up from his notebook, where he’d written Dead cat (black)/ Gasoline/ Three motorcycles, and said “Eh?” (…)
“The highland? Morning?” Adama said and burst out laughing.
”How do you get from a dead black cat to morning in the highlands?” (…)
Then, after that, the girl appears.
“Lady Jane.”
“Right. She’s wearing white clothes. (…)
We’ll have her ride in on a white horse.”」


原文は数年前に読んだ。内容はあまり覚えていなかったのだが、英訳は村上龍の書く世界、というか九州の西の小都市のことを良く伝えていると思う。
主人公のケンは龍さん自身なのだろう。ヘタレかっこいいケン坊、を英文からも読み取れる。

あちこちに共感する箇所がある。
龍さんが描写する某市が、今と変わっている部分とそんなに変わっていない部分とがあって、
しかし大きく違うのがK高校生の在り方、だろうか。
「ゴダール」と言われて「タゴール」と間違えるなんぞ、間違えるにしろそのレベルが高いってこと。
県下で東大合格率が一番だったこと。
我が学年は東大合格者はいなかったけどね。二つ上の学年には一人いたのかなあ。

 ランボーの詩の引用が登場するが、最近、ゴダール映画の字幕飜訳で知られる方の訃報を毎日新聞誌上で見た。
「永遠」の和訳はいくつか検索してみたが、どうもしっくり来ない。
私にとっては、ゴダールの「気狂いピエロ」で出た、あの訳が「永遠」なのだから。
 
 「レディ・ジェーン」というのは、ストーンズの曲にちなんで、K高校一番の美女、カズコ嬢につけられたニックネーム。勿論、ケンさんの憧れの美少女である。

 ケンさんが友人のアダマに自主制作の映画のシナリオを語る場面だが、「アンダルシアの犬とスコーピオライジングを併せたような…」と語るくだり。
憧れの美少女の眼を…なのか!?と、ギョッとしたが(興味のある方は「アンダルシアの犬」で検索するか、
澁澤龍彦の「スクリーンの夢魔」の表紙を見てね←怖い!)、
そうではなくて、「黒猫の死体」だって。そっちも怖い…

そもそも、「レディー・ジェーン」というのは、僅かな在位日数で、若くして処刑された英国の国王ではなかったか。
有名な絵画もあるが。憧れの女性にそういうニックネームが、怖い…
ストーンズがその悲劇の女王にインスパイアされてその題名と歌詞にしているのかどうかは、未確認。
分かる方、ご教示を。

 洋楽のLPレコードの貸し借りが当たり前だったこと。
龍さんは上の世代だけど、私の世代では洋楽ファンと邦楽ファンは半々ぐらいだったかな…
洋画、それもフランス映画の人気が高かったこと。
今は、東京ですらそういう層は少ないかと思う。
何せ、「ジュリエット・ビノシュのほうが(映画賞の受賞が多いので)カトリーヌ・ドヌーヴよりもギャラが高い」というフランスやハリウッド映画界の基準なのだから、嘆かわしい!


 浅利慶太氏が亡くなられたが、彼には特に興味は無い。
が、妻だった影万理江が主演した「悪女について」のTVドラマは凄かった! 
興味のある方は検索して、その豪華キャストに驚いてみてね。
有吉佐和子の原作も素晴らしいのだが、影さんは冨小路公子そのもので、溺愛する長男の嫁に向って「堕ろしておしまいなさいまし」と言い放つ場面が特に凄かった。
品性下劣な台詞を冷静に、世にも上品な物言いで、このひと言に冨小路公子という女性の総てが凝縮されている。
映画やTVの世界では特に有名な女優さんではなかったように思うが、上品で美しく、ミステリアスな冨小路公子(鈴木君子)にぴったりだった。
彼女にキャスティングした人はどなただろう。
数年前に沢尻エリカでリメイクされ、彼女もとても良かったのだが、
役柄にはちょいと若すぎたように思う。


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Sixty-Nine

Ryu Murakami/Pushkin Press

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嘔吐 新訳

J‐P・サルトル/人文書院

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by suezielily | 2018-07-20 17:07 | 文学